古民家を守る
〜もったいない〜

いくたびの地震や災害に耐え昔の姿を残している古民家の秘密


古民家に対するイメージで不安に思う事は地震についてだと思います。

実は古民家には揺れを受け止めて、逃がす性能を元々持っています。




地震に耐えた日本最古の建造物


日本の最古の木造建築物群である法隆寺。

その五重塔は過去40回もの大地震でも倒壊していません。

しかも、五重塔は地震が起きるとしなやかさを活かし、

蛇のようにくねくねと曲がっているようです。

ここに秘密があります。


(1)粘り強さ

古民家が地震に耐える秘密のひとつは土壁にあります。土壁は竹とワラ縄で編んだ格
子状の小舞に土を塗り、繊維が絡みついた粘り強さを持っています。この粘り強さ
大きく変形することに耐えるのです。

(2)仕口・継ぎ手といわれる技法

建物に生じる捻(ね)じれなどを仕口・継ぎ手といわれる技法でしのぎます。たとえば
『追掛大栓継ぎ(おいかけだいせんつぎ)』という技法は、主に桁、胴差し(二階の外周
部の桁)に用いられて、木材を曲げて折ろうとする力に対抗するがっしりとした継ぎ手
方法です。

(3)しなやかさ

柱・桁や梁が外れないように「込栓(こみせん)」や「楔(くさび)」を用い、接合部は
ぴったりとはまっているのではなくわずかな隙間、いわゆる「あそび」をもたせま
す。これらの接合部にできた隙間を部材が滑ったり、比較的柔かい部材がめり込むこ
とで、建物の急激な変形、局部的な変形を吸収するしなやかさをもたせます。

(4)免震構造

古民家には基礎がありません。束石や自然石の上に建物が乗っているだけです。でも
地震が来ると建物が束石や自然石の上で滑り、地震力をかわす免震構造が働きます。

(5)力の分散

古民家の外部には隅柱から開口部を除く隅柱まで一直線に貫と呼ばれる板を柱に差し
通しています。貫は両面から楔(くさび)で締めています。貫と柱が接する部分が多い
ので、地震などの力を分散し小さな負担に変えることで耐えるのです。貫による粘り
強さ
が崩れるのを抑え住人の命を守ります。