古民家を守る
~もったいない~


T様邸工事履歴



既存の家を解体撤去して、その場所に新築を建てました。

平成25年4月から工事が始まり11月に完成 引渡しをしました。




既存の家
雪の降る中で

初めてお施主様の家に行ったのは、

平成24年3月でした。

雪の降っている中、見に行きました。

古い帯戸

明治時代からある古民家、いろいろ改修が

してあり、帯戸も7本残っていました。

  基礎と土台の事がすごく心配していたので、

  取り壊して新築にする事になりました。

解体工事

内部はて壊しで、天井・壁を撤去して、

外部になると機械を使って壊していきます。

大きくて長い梁が、使われているので、

傷つかないように解体しました。

この太い梁は、新築の中に取り組んでいきます。

廃材を分別に処分していきます。

     完全に更地にしてから、

地盤調査をします。

  地鎮祭

  神主をお呼びして、地鎮祭をおこないます。

  土地の神様とご先祖様に工事をする事を

  祈念します。

基礎工事
1回目のコンクリート打ち


ベース・土間にコンクリート流し込みます。

立ち上がり布基礎部分に鉄筋を組み、

型枠を取り付けます。

基礎完成

外枠・内枠を外して、基礎の周りに土を

入れ整地して基礎の完成です。

古材の加工
古材のキザミ

梁と梁が交差する部分をキザミ(加工)ます。
古材の仮組み

キザミの終わった古材を一度仮組みをします。
建方
土台敷き

土台には長野県産材の桧を使っています。

桧は耐水性、耐久性に富み、

強度が高い特徴があります。

建て方

柱を立て、梁・桁を入れていきます。

柱は長野県産材の桧、桁・梁は

 長野県産材の唐松を使っています。

  古材の再利用

  居間の天井に組み込まれた古材梁

  ご先祖様が自分の山から取り出した材料です。

  お施主様はご先祖様が残した梁が

   生かされてとても喜んでくれていました。

  大黒柱の再利用

  古い家にあった欅の大黒柱

   新築の玄関ホールに建てました。

上棟式

棟上げまで出来たところで、

今後の工事の安全と新築の家に

災難がないように神様に祈念します。

棟梁が神主代わりに

 お祝いの取り仕切りをします。

造作工事
床下の配管


塩ビ管は排水、ピンクは温水・

ブルーは給水になります。

接合金物

安心で丈夫な住まいにする為に接合金物を

取り付けます。土台と柱・土台と

 柱と筋交い・桁と柱と筋交いにと、

 場所に合せた接合金物を使います。

床下断熱材と受け金具


床下にスタイロエース厚み100mmの

断熱材を入れていきます。

その断熱材が下に落ちない様に

 断熱材受け金具を使用します。

床構造用合板張り

断熱材の上には厚み28㎜の

 構造用合板を敷きます。

内部工事  天井の断熱材入れ

天井には羊毛断熱材ウールブレスの

厚み200㎜を入れています。ウールブレスは

呼吸する断熱材でウール自体が縮れているので

空気をたくさん蓄えることで、外部の空気の

進入を防ぐことで、優れた断熱効果を得られます。壁にも厚み100mmのウールブレスを入れています。

天井 杉板張り

調湿機能を持っている杉。

梅雨時期には湿気を吸収して、

乾燥している時には、

水分調整をしてくれます。

長野県産材を使い寝室の天井に使っていました。

書斎の天井・腰壁

天井には杉板を使用しています。

腰板は檜板を使い、アクセントに窓側の

壁全体に檜板を張っています。

窓下には無垢一枚板のカウンター。

その下には引き戸を付けて、収納に使います。

廊下の腰壁

廊下の腰壁には檜板を縦張りに使っています。

 将来どこにでも手摺りが

  付けられるようになっています。

居間の天井

居間の天井にも杉板を使用しました。

ほとんどの部屋の天井に使っています。

古材の上に天井が張られ形状は、「腰折れ天井」

となっています。天井の中央部分が水平で両脇に

向かって斜めに傾斜している天井です。

窓枠入れ

窓・サッシに木枠を取り付けています。

 材質は赤松。サッシの枠の色と合わせて

 塗装します。

玄関・ホール

玄関の框はR形になります。

R框は専門の業者に造ってもらいました。

栗のフローリングをRに合せて

取り付けていきます。

玄関・ホール・土間サロン

玄関・ホール・土間サロンの天井には、

  杉板の他に竹桟をアクセントに入れました。

  壁の腰板の見切り縁には、

  細いしゃくてん棒を付けています。

玄関屋根工事
 

杉丸太のひとつひとつのくせに

合わせて刻み、組み合わせていきます。

玄関屋根

柱の脚部分には、この家に

 あった自然石を使っています。

外壁工事
防湿防水シート張り

建物全体に防湿防水シートを貼ります。

その上に、空気が通るように通気胴縁を

打ち付け外壁材を張っていきます。

腰の下見板と大判サイディング

腰には杉の下見板張り、古民家風にします。

 腰から上は大判サイディングの横張り。

 サイディングが張れたら、付け柱、付け梁、

 付け貫を取り付けて仕上げていきます。

吹き付け

大判サイディングが張れたので、仕上げに

アクリルエマルジョン系の塗料を吹き付けします。

外壁完成

付け梁には丸挽き地松を使いました。

 付け柱、付け梁、付け貫に、下見板と同じ

 キシラデコールのパリサンダ色を付け完成です。

塗装工事
キッチンの天井塗り

板張り部分には、自然塗料の塗装をしていきます。

色合いを決めて貰うために、お施主様に色を

見ていただきながら決めていきます。

既存の本棚塗装

工事中にお施主様から、既存の本棚にも

塗装をしてもらいたいと要望がありました。

工事中でも要望がありましたら対応していきます。

左官工事
玄関の鉄平石

お施主様の希望で玄関には諏訪地域で採れる、

鉄平石を張りました。

玄関ポーチ

磁器質の200角タイルを張ります。
珪藻土塗り


玄関ホール・書斎・リビング・キッチンの

壁には珪藻土を塗りました。

内装の完成

玄関ホールの仕上がりです。

床には鉄平石、腰壁は杉板、腰上の壁は

珪藻土で仕上がっています。

建具工事
古建具の使用

リビングにこの家にあった帯戸を再利用しました。

高さがそのままだと低いので、戸の下に

 下駄を履かせて高くして塗装もしました。

書入り建具の制作


お施主様のおじさんの書家が書いた書を

建具の中に入れました。他の帯戸と

合うように帯戸で作り、反対の和室側は

襖になっています。欄間も古い家にあった物です。

完成見学会

11月16日・17日と完成見学会を行いました。

古材で組まれた梁を見て、落ち着いた

雰囲気になると言ってくれました。

最後にお施主様と記念撮影をしました。

できる限り、お施主様の要望にお応えし、

古い家の物が、随所に生かされていている事に

とても喜んでもらえました。